Katie Lilou

主題から外れて右往左往した挙句、ふんわり煙に巻き空を駆けて行方不明になる、にんじゃりばんばんブログ。

小説感想:多島斗志之・症例A(ネタバレ有)

 多島斗志之・症例A読了。以下ネタバレ感想。

 

 

 

 

 

 

 もうね、多重人格(現在では解離性同一性障害と呼称されているので以下DID)が出てきた時点で萎えました。それに尽きます。

 他にも微妙だった点は幾つか ありましたが、DIDネタに比べたら全然マシ。

 

 ただ自分の場合は、DIDやら境界例やら流行った時期に散々そのテの話を見聞きしているので、偏見があるのも事実です。

 同世代でアングラ系に片足突っ込んでたような方は、所謂メンヘルサイトが乱立した時期も ご存知かと思いますが、当時多重人格やらアダルトチルドレンやらボーダーやらが流行っていて。そのテの関連書籍を読んだりしていたので、医学的な知識は無いけどサブカル寄りの情報だけは知っているっていうね。

 情報源が宝島のムックとかだったりするんで、偏った知識なのは否めません。その辺の影響もあってDIDネタが苦手になっちゃってるのかも。

 なので、変な予備知識なく読んだら面白いのだろうと思います。多分。個人的には もう このテの話は お腹いっぱいって感じでしたけど(笑)

 

 

 序盤、主治医がDIDについて懐疑的だった辺りは面白かったんですよ。博物館の謎も絡んできて、結構 期待しながら読んだのに…結局、良くある話&意味不明なオチになっちゃってガッカリ。

 特に、人格交代の描写が出てきた時点でまたか…って感じで、その後は半ばウンザリしながら読んでました。

 

 大体、アリバイが別人格だったからという理由で成り立たない時点で、ミステリとしては邪道ですよね…博物館の謎も思ったより盛り上がらなかったしなぁ。

 DIDについての話が長すぎて、終わりの伏線回収が適当になっちゃった感じで残念でした。

 

  ミステリとして読んでいるからダメなんですね、きっと。でも医療モノってわけでもないし、変に博物館の話を絡めているから中途半端なんですよね。

 完全に表紙裏の文章に騙されたわ。

 

 

 で、他の方の感想は どうなのかな~と思ってamazonレビューを読んでみたのですが…なんか高評価が多くて驚きました。オチに関しては賛否両論って感じでしたが。

 参考文献の多さについて書かれている方もいらっしゃいましたが、その所為で逆にリアリティ重視になりすぎて、面白みのない展開になったのかもなぁと思ったり。

 

 私は専門的な医学の知識が全く無いので、病気の描写に関しては あまり どうこう言える立場ではないんですが、ホントDIDとボーダーに関しては良くある展開すぎてね…。 

 実際の症例もテンプレ化しちゃってるのかもしれませんが、何を読んでも出てくる人格のパターンが一緒な気がするんですよね。

 特に子供の人格・性的なモラルが欠如した人格・冷静で客観的な人格辺りが出てくると、またか~って思っちゃってダメです。

 う~ん、これはリアリティ云々っていうより、個人的に苦手なネタってだけかもなぁ。

 

 

 その後、気になって少しネット検索してみたら興味深い記事を見つけたので、後日 別記事で書きたいと思います。